珈琲のはなし

むかしむかし僕は、はるばる大阪のD&DEPARTMENTというお店まで、±0というブランドのコーヒーメーカーを買いに行きました。当時の僕はちょっとだけデザインの勉強をしていて、ある時、『デザインの輪郭』という本を読んだのですが、その著者が±0を牽引する深澤直人さんという方で、彼の哲学に陶酔してしまい、それ以来、±0の製品欲しい!と思っていました。

そう思い始めて少し経って、±0からコーヒーメーカーが発売されました。それまでは夜更かしのお供にずっとインスタントコーヒーを飲んでいたのですが、ひとつ上の男、違いのわかる男になるで!と意気込み、僕は大阪まで出掛けました。そして買いました。

いやあ、焦りました。

±0のコーヒーメーカーは12,800円でちゃんと売っていたんですが、このコーノ式ドリッパーというドリップセットは3,780円だったんです。絶対こっちの方がかっこいいやんと気付いてしまいました。これなら違いを知りすぎた男にまで飛躍できるんではないかと思いました。

で、買った後はすこしづつ珈琲道レベルが進化していきました。スーパーの粉→無印の粉→カルディの豆→自家焙煎個人店の豆といった感じです。家がたまり場になっていたので来る人来る人に強制的に飲ませて味を確かめてもらっていました。

そんな迷惑千万で珈琲好きだった僕なんですが、半年ほど前に地元帰ってからは一切珈琲を飲まなくなっていました。というのも、ミルを友だちから借りていて、それを返してからはミル難民となり、かといって、いまさら粉で買うのも気が引けるし、どーせミル買うなら2万くらいの家庭用の臼挽きのが欲しいなーと思っているうちに、暑い夏がやってきて、情熱はどこかへ去っていきました。

でしたが、涼しくなって体の奥に眠っていた情熱が夏眠から目が覚めたんでしょうか。

気がついたらコーヒーミルを買っていました。バールコーヒーミルというイケメンなコーヒーミルを買っていました。寒い冬に向けて楽しみがひとつ増えました。

松山のいい豆やさんをまだ知らないので、美味しい豆が買える場所を見つけたらブログで紹介しようと思います。